泥棒に狙われにくい住まいとは?

2009年12月29日 11:00

 「外出先で家の鍵を締めたかどうか不安に感じたことはありますか?」という質問に対して、過去1年以内に不安に感じたことがあると答えた人は半数以上だった。

 このような生活者の防犯意識に対するアンケート調査を行ったのは、住宅業界最大手の積水ハウス <1928> 。同社は、住まいに関する多角度からの調査・研究成果をもとに、住まいづくりや暮らしに役立つ情報をまとめた「view point」というレポートを定期的に発信し、その第4号で泥棒に狙われにくい住まいづくりを紹介している。

 警察庁の調べによれば、最近の泥棒の侵入手口で最も多いのはガラス破りで全体の約4割を占めているが、実はドアや窓の無締りによる被害も同程度あるという。今回のアンケートでも、実に20%もの人が過去1年間に玄関ドアの施錠を忘れて半日以上外出したことがあると答えた。そんな中、同社では玄関ドアを施解錠したかどうかが一目でわかる「しめ忘れお知らせキー」を顧客に提案し注目を集めている。鍵を締めると鍵の手持ち部分の色が変わるため、これを利用すれば外出先でも施錠したかどうかを簡単に確認できる。

 また、同じく警察庁などによると、泥棒の被害に最も遭いやすい時間帯が昼間であることや、泥棒が住宅侵入を諦めた最大の理由が周囲の人に見られたということも判明している。そこで、同社では、生垣やフェンスなど住宅の庭囲いの見通しをある程度良くしておく事を顧客に提案している。同社独自の調査によれば、生垣の隙間量が10%以上あれば7割以上の人が生垣に隠れた不審者を確認できるという。

 刑法犯の認知件数は平成14年の約285万件をピークに年々減少傾向にあるが、(財)社会安全研究財団が実施した調査によると、日本の治安が悪くなったと感じている人は71.4%にも上っており、犯罪件数と生活者の体感治安が反比例していることがわかる。そのような状況の中、同社は、生活者が安心して暮らせる住まいづくりのため、人と暮らしの視点から住まいのあり方について調査・研究に取り組んでいる。今回、このような生活者の防犯意識に対する実態を公表することで、「我が家は大丈夫」といったちょっとした油断が被害に繋がると生活者に対して警鐘を鳴らすとともに、泥棒から我が家を守る秘訣なども紹介している。年末の大掃除をする際にでも、一度自宅の防犯対策を見直してみてはいかがだろうか。