様々な業界が参入するコラーゲン・サプリ市場

2013年06月01日 19:12

 健康志向の高まりが続く現在、2012年の健康食品・シリーズサプリメント市場も約2兆円規模まで成長。特に中高年齢層を中心とした健康志向、美容・アンチエイジング商品の人気は根強い。人気素材としては、ユーザーに認知度の高く効果が判明しやすい「にんにく、すっぽん、高麗人参」などの古来伝承素材や美容関連素材としては「コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸」、また高齢化社会の進展に伴い「グルコサミン」などは安定した需要を誇っているという。

 富士経済の調べによると、なかでも動物系由来素材のコラーゲンは風味の良い高品質タイプが登場していることから、飲料、菓子など一般食品の用途へも急速に拡大。また他の美容素材に比べて扱いやすく、採用しやすいことやエビデンスの蓄積によって、美肌訴求以外には骨・関節訴求など新たなユーザー層への拡大が期待されているという。コラーゲンに関連した製品は薬品メーカーはもとより、他業種で得意分野を持つ企業も技術や研究の成果を活かし参入しているようだ。

 例えば山田養蜂場は3月より2,550mgのコラーゲンをはじめ12種類もの美容成分を配合した美容サプリ「よくばりコラーゲン」を発売している。同製品は「コラーゲンと一緒に、他の美容成分も一度にたくさん摂取したい」という顧客の声に応え、ヒアルロン酸30ミリグラム、プラセンタやアスタキサンチン、乳酸菌などを配合、飲物に溶かして飲める顆粒で、持ち運びに便利な分包タイプとなっている。はちみつ製品は、養蜂場の環境や養蜂家の技術、鮮度管理などによって、品質の優劣が左右されるデリケートな天然素材だが同社のはちみつ製品は定評があり、健康食品の売上も好調だという。

 また冷凍鮪・鰹のロイン加工、販売を行なうダイトー水産は、マグロコラーゲンに着目。「魚」という命題は同じながら、マグロコラーゲンの美容パワーを活かした「おやすみ習慣コラーゲンゼリー」を2009年より販売している。同社は漁獲から流通まで徹底した鮮度管理技術を持ち、高級な刺身として流通する天然鮪の皮から抽出されるコラーゲンを使用している。同製品もコラーゲンだけではなく、マグロ由来のエラスチンやビタミンCなど6種類の美容成分を配合し、女性を中心の人気を得ているようだ。

 健康食品・サプリメント市場は、安定期を超え、今や飽和状態に突入しつつあるとも言われている。また健康食品は広告規制により、素材の効果が大きくアピールできない中、ユーザーの満足度を満たし、継続的な人気商品となるには、品質の高さはもちろん、素材の一般的な認知度の高さは重要となるであろう。コラーゲンのように、昔から良いとされている素材にいかに付加価値を付けた商品を開発していくのか、企業の手腕が問われるところである。(編集担当:宮園奈美)