日本語で日常会話が十分にできない、あるいは日常会話はできるものの、学校で学年相当の学習言語が不足しているために日本語指導が必要な外国人児童・生徒が日本の公立の小学校、中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校の6212校に2万8575人在籍していることが文部科学省の外国人児童生徒受け入れ状況調査で分かった。平成3年度の調査開始以来、最も多い人数になった。
これは昨年9月1日現在で調べたもので、今月、その結果をまとめた。それによると、小学校に在籍していて日本語指導が必要な児童は1万9504人、中学校が7576人、高校で1365人、中等教育学校で32人、特別支援学校で98人と、全体で、前年度に比べ12.5%増えている。
地域で多いのは愛知県の5844人をトップに、静岡県の2903人、神奈川県の2794人、東京都の2203人、大阪府の1819人などだった。
母語別ではポルトガル語が1万1386人、中国語が5831人、スペイン語が3634人となり、3言語で72.9%と全体の7割を占めている。
日本語指導が必要な外国人児童・生徒のうち、日本語の指導を受けている児童・生徒は2万4250人で、日本語指導が必要な外国人児童・生徒の84.9%は指導を受けていたが、15.1%は受けていなかった。
文部科学省では日本語指導を行う教員などを小中学校などが配置した場合、給与の3分の1を国で負担するなどの措置を講じており、今年度は1035人分を予算計上している。また、退職教員など外部人材を非常勤講師として活用し、日本語指導にあたらせた場合の費用も計上するなど、支援策をとっている。ただ、数人の児童・生徒のために日本語指導の教諭を配置することは地方の自治体にとって財政的に難しいことも推測され、実効性をあげるには、日本語指導を受けられない児童・生徒の実態把握が必要といえそう
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)