農水省 政策決定プロセスの透明化へ改善策提示

2009年07月07日 11:00

 農林水産省は農林水産政策を国民全体の視点に立って実効性をあげる必要がある、として政策課題の選定段階から政策決定や決定後のフォローアップまで、「政策決定プロセス」の透明性や客観性を高めるための改善策を議論してきた結果をまとめ、7月6日、公表した。広く国民から改善策についての意見を募り、より国民の視点に立った政策の企画・立案が行われるよう寄せられた意見を反映させたい意向だ。

 政策の企画・立案にあたっては特定勢力に押されて、その意向に沿った内容になっていないか、などの批判をはじめ、省内からも「消費者などから意見を伺う機会が不十分」との自戒の発言が出るなど、政策決定のプロセスを透明性の高い、科学的、客観的なものにする必要性が求められている。

 このため、農林水産省では改善策の方法として、国民の声を把握するために「国民に対し、親切・丁寧な姿勢で、都合の悪い情報も含めて説明を行うこと」や「パブリックコメントについて、一定のルールを設定し、幅広い国民層から意見を収集する」「国民からの意見は省内で共有し、議論を喚起する。苦情については省全体で新設・丁寧に対応する」などをあげた。民間ではすでに消費者保護法の視点からも自社にとって不都合な情報も消費者には開示して商取引をしており、苦情が発生すれば全社あげて対応を考えるが、政策決定プロセスにおいて民間レベルのスタート台に立つことにしたといえそうな内容。その実効性を注視しなければならない。

 また、国民からの意見を収集するために、農林水産省では、募集するテーマや意義について分かりやすく説明するとしており、主な意見には返答の義務化や意見・返答の省サイトでの公表など省内全体で共通のルールを決めるとしている。

 科学的・客観的な分析については「少ない資金で最大限の政策効果を発現させることが重要である」として、企画立案、実施、評価、企画立案への反映を主要な要素として「政策のマネジメントサイクルを徹底すること」「政策効果についての分析を行うこと」「分析結果について有識者など第3者から意見を聞き、必要があれば政策決定プロセスに反映させること」「分析結果は国民に分かりやすく提供すること」などをあげている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)