アメリカの有識者や一般の人たちが日本に対してどのような意識を持っているかを外務省が電話で意識調査した結果、日本の国連安保理常任理事国入りに対して、有識者の57%が「常任理事国になるべき」と回答。昨年調査より8ポイント増加し、過去最高になった。
一方、アメリカにとってアジア地域で最も重要なパートナーの質問では有識者の44%が日本をあげたが、前回調査より10ポイントの減。替わって中国が前回より4ポイントアップし42%と日本と拮抗した。これは極東アジア戦略、特に北朝鮮戦略から、またアジア圏域での経済戦略から、シフトが日本重視から中国重視にアメリカ有識者の視点が変わりつつあることを窺わせるものになっていた。ちなみに一般人の回答では最も重要なパートナーに日本をあげた人は46%と前回調査より3ポイント増加。中国も5ポイント増加し39%、ロシアは逆に2ポイント減少し8%になっていた。
調査は外務省が1960年以来、ほぼ毎年、アメリカの18歳以上の一般人1500人と政官財や学術、マスコミ、宗教、労働界で指導的立場にある有識者250人を対象に対日世論調査として実施している。今年も2月から3月にかけて実施された。
その結果、日本に対する信頼度は有識者で91%と前年より1ポイント下がったものの、一般人は13ポイントアップし80%に上った。外務省では「一般の部が過去最高となり、有識者の部でも高いレベルを維持している」としている。
また日米関係について「極めて良い」または「良好」との回答が有識者では4ポイントダウンし81%となったが、一般の部では10ポイントアップし73%に引きあがった。
日米安保体制について、安保条約を維持すべきという回答が一般で9ポイントあがり87%、有識者の部も2ポイントあがり89%になった。アメリカの安全保障にとっても日米安保条約は重要かどうか、の問いでも、極めて重要、ある程度重要とほぼ9割(一般人90%、有識者89%)が重要視していた。これは一般人で前年より6ポイント、有識者で2ポイント増加。過去最高の数値だが、北朝鮮の動向が特に重要度を上げる要因になっていると推測される。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)