現在、企業の情報セキュリティ対策は、巧妙化・悪質化するサイバー攻撃などの脅威への対策強化が進むとともに、スマートフォンやタブレットPCなどスマートデバイスの急速な普及やクラウド利用によるワークスタイルの多様化に対応したサービスへの要求がますます高まっている。企業では、同対策サービスの新規導入や、導入後の継続したアップデートによる強化が重要となることから、ネットワークセキュリティ市場は、日本を始めとした先進国ですでに拡大しており、今後も顕著な伸びが期待されるとともに、セキュリティ対策が本格化する中国や東南アジア市場でも今後大きな伸びが予測されている状況だという。
そのような中、京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)は、ICT事業関連におけるセキュリティ事業の強化を図るため、IT資産管理パッケージソフトウェアの開発・販売を手がけるエムオーテックスの全株式を取得、子会社化することを決定し、株式売買契約を締結した。
KCCSのセキュリティ事業は、ウイルスなど外部の脅威から情報を守る製品・サービスである脆弱性診断、改ざん検知、マルウェア検知などを提供。一方、エムオーテックスは、内部からの情報流出などを防止する製品・サービスとして、内部統制、コンプライアンス対応、アクセス制御、情報漏えい対策などのソフトウェアを国内市場で提供しており、国内IT資産管理ソフトウェア市場において8年連続でトップシェアのパッケージソフトウェアを供給するなど高い技術とサポート力が評価されている。
今回の子会社化により、KCCSは外部脅威への対策ソフト供給だけではなく、内外双方の脅威から企業の情報を守るトータルセキュリティ事業を展開することが可能になるほか、エムオーテックスのユーザである約6,300社540万ものクライアントに向けたKCCS製品の供給など、クロス販売による販路が拡大。さらに国内トップシェアである同社のソフトウェアを用いて海外市場での本格的な事業展開を図るとともに、KCCSが長年培ってきたモバイルインターネットビジネスを支えるインフラ技術とエムオーテックスの技術を融合することにより、現在加速度的な広がりを見せるスマートデバイスをターゲットとした新しい高付加価値のセキュリティ管理サービスを創出していくことが可能となるという。
今後はIT資産管理ソフトウェアのシェア拡大とともに、セキュリティ業界における存在感の向上を目指し、4年後にはセキュリティ事業において100億円の売上を目指す。