基礎年金の全額税方式化に向け検討を 経団連

2009年01月19日 11:00

 日本経済団体連合会は与野党、各政党が2009年に優先して取り組むべき事項として、10の柱をあげ、政策推進を提起している。この中で、「安心で持続可能な社会保障制度の確立のために税制抜本改革を通じて安定財源を確保し、社会保障への公費投入割合を引き上げる。また、国力を左右する重要課題として少子化対策を強化し、経済的支援等を拡充する」必要性を強調。

 特に、公的年金については「予定通り2009年度から基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるとともに、基礎年金の全額税方式化に向け検討を進める」ことを提唱。年金記録問題の早期解決。老後に向けた自助努力支援の観点から、確定拠出年金におけるマッチング拠出の導入、拠出限度額の引き上げなど企業年金の拡充を図ることを求めている。

 医療分野では、産科・小児科・救急医療の建て直し等を急ぐ。ICT(情報通信技術)の活用、標準化・包括化、後発医薬品の使用促進等を通じて、医療の効率化を図ること。患者の選択による保険診療と保険外診療の併用を進めること。介護については、介護従事者不足の問題を重視し、早急に解消すること。高齢者医療・介護の財源については、今後の高齢化の進展を踏まえ、公費投入割合を高めていくこと。当面の高齢者医療制度の見直しにおいても、前期高齢者を含めた包括的な制度設計とし、公費を重点的に投入すること、としている。

 また、少子化対策では利用者ニーズを踏まえた多様で柔軟な保育サービスや放課後児童対策を実施すべく、制度面の改革を行うこと。税額控除制度の創設など中低所得層の子育て世帯に配慮した経済的支援の枠組みを構築すること。各界各層が連携して、家族・地域のきずなを深める観点からの国民運動を展開するなどを提起した。