会計監査院は、独立行政法人労働者健康福祉機構が職員に対し、通勤手当の支給算定で本来、6カ月定期券の価額で支給すべきところを1カ月定期券の価額をもとに算定して支給していたため、同機構理事長に対し、「交通機関等を利用する職員の通勤手当の支給について、6カ月定期券の価額に基づく通勤手当を支給するよう」是正改善の処置を求めた。
会計監査院によると、18、19両年度で通勤経路等に変更がなかった交通機関等利用職員1537人に支給した通勤手当は5億1853万余円にのぼったが、6カ月定期券の価額を基に通勤手当を支給したとすれば、1180人に係る通勤手当は、2年度で3856万余円が節減できた、としている。
同院は「国及び他の独立行政法人において経済的な6カ月定期券の価額に基づいて通勤手当を支給しているのに、機構において事務手続が煩雑となるなどの理由で、1カ月定期券の価額等を基に通勤手当を支給している事態は適切とは認められず、是正改善を図る要があると認められる」とした。
これに対して労働者健康福祉機構では、6カ月定期券の価額を基にして通勤手当を支給した場合に、年度途中の採用、退職、転勤等による返納措置等が発生するなど事務手続が煩雑になるなどの理由から、1カ月定期券の価額等を運賃等相当額として通勤手当を支給した説明している。機構の説明に対し、国民からは「実勢にあわない。職員の怠慢。指摘を受けた額は機構に返金させるべき」などの声もあがっている。