自社株買い規制緩和など金融市場安定策を発表

2008年10月15日 11:00

 中川昭一財務・金融相は10月14日の閣議後の記者会見で、金融市場の安定化策として、自社株買い規制の緩和や空売り情報開示の拡充、政府や日本銀行が保有する株の売却の一時凍結などを発表した。

 具体的には(1)市場安定の観点から、自社株買い規制の緩和を直ちに実施する。(2)取引所による空売り情報開示の拡充などを早急に検討・実施する。(3)政府等が保有する株式売却について、市中売却の一時凍結を検討・実施する。日本銀行においても、その保有株式について同様の検討を行うことを期待する、というもの。

 中川大臣は、日本の金融システムは相対的に安定しており、セーフティネットも十分に整備されているが、最近の急激な株価下落が我が国の金融や実体経済に与える影響については、高い警戒水準の下でこれをフォローしていく、と説明。

 また、金融機能強化法の強化・活用により、地域金融機関による中小企業金融の円滑化を図ることを早急に検討するとしたほか、保険契約者保護を目的とした生命保険会社のセーフティネットについて、平成21年4月以降も政府補助を引き続き可能とする措置を検討する。

 中小企業金融については10月15日に、金融機関の代表者を集め、金融円滑化に向けた要請を行う。追加の経済対策については、現在、与党内において取りまとめに向けた検討が行われており、政府として、与党の対策が取りまとまり次第、対応したい、とした。