国土交通省は今年度後半の公用車の車両管理業務について、全て一般競争入札で行ったとして、その結果を公表した。一般競争入札で実施することは、今年7月の大臣指示によるものだった。
その結果、入札参加者は今年前半(9者)に比べ、67者と7倍以上になり、58者は新規参入者だった。タクシー会社や人材派遣業、警備業の兼業者と思われる業者からの参入もあった、という。
落札は202件で、このうち、新規参入者の落札は7者、24件だった。新規参入者が落札全体に占めた落札率は件数で11・9%、金額で8・6%。
今回、全体を一般競争入札に切り替えたことにより、平均落札率は今年前半(95・4%)に比べ12・9ポイント低い82・5%に減少した。国土交通省では「指名競争から一般競争に移行したものも、すでに一般競争に移行済みのものも、落札率がほぼ減少していた」としている。また、委託台数も1990台から1528台に削減し、今年前半に比べ23・2%減少させたとしている。
国土交通省では、今回の入札にあたり、新規参入しやすいよう、過去の受注実績を要件としないなど入札参加資格要件を見直したほか、発注ロットを縮小し、特殊車両の運転などを委託内容から分離。契約開始(10月1日)の1ケ月前に落札を決定し、スケジュールに余裕を持たせたとしている。また、沖縄総合事務局以外の地方整備局については全て電子入札を実施した、と新規参入者が参入しやすい環境整備を図ったことを強調している。
ただ、車両管理業務での受注が多い日本道路興運、日本総合サービスは今年前半の契約件数(46・6%、30・2%)で76・8%を2者で占め、後半の契約件数でも、32・2%、11・9%と2者で44・1%を占めており、ウエイトの大きいことには変わりなかった。また、落札金額でみると、日本道路興運は1億2476万6000円で落札金額全体の36・4%、日本総合サービスは2662万6000円で7・8%となり、2者で44・2%を占めていた。一方、躍進したのは、大新東とセノンで前半での契約はそれぞれ9件(1466万6000円)、3件(1111万1000円)だったが、後半では40件(6608万546円)、29件(4943万2650円)を落札した。この2者の落札金額は後期落札金額全体の33・7%になる。つまり、日本道路興運、日本総合サービス、大新東、セノンという上位4者で後半落札金額全体の77・9%を占めるという圧倒的な強さには変化なかった、という結果になっていた。