2009年総選挙の逆をいく選挙になるのか、民主が政権を死守できるのか。日本維新の会など自主憲法制定を公約に掲げる勢力が議席をどこまで伸ばすのか。
福井県に原発を多く抱える以上、近畿1450万人の水がめを守る滋賀県知事としては、その責任があると卒原発を最大公約に掲げる日本未来の党がどこまで支持をえるのか。
自公政権による政権奪還や第3極といわれる日本維新の会、日本未来の党のハザマに埋もれてしまった感もある既存政党の日本共産党や社会民主党。両党は自主憲法制定派や改憲派勢力に危機感を持ち、特に「憲法を護る、第9条を護る」として存在感をアピールする。
日本維新の会から一線をひき、独自の路線を貫く、みんなの党は「消費増税の前にやることがある」とし、国会議員の定数削減や公務員給与など自ら身を切る改革が先だとする。
国民新党は消費税増税の前提は名目3%、実質2%の経済成長が条件だと訴える。新党改革は「今の経済状況下で消費税増税はすべきでない。個人消費が伸びなければ経済は良くならない」とアピール。新党日本は「原発廃炉こそ、新しい公共事業になる」と支持を求めてきた。
このほか、北海道に特化して北方四島の問題解決や天然ガスでの経済協力構築などロシア外交を前面に掲げる新党大地が地域政党としてどこまで支持を得るのかも注目される。
また、経済再生で公明党は防災・減災ニューディールで災害に強い国づくりを進め、雇用の創出を図るとし、年間10兆円、10年間で100兆円規模の事業想定を展開。自民党もデフレ・円高からの脱却を最優先に名目3%以上の経済成長をめざすと訴える。
民主党は再生可能エネルギー、環境、医療、介護、農林水産業などの分野を伸ばし、2020年までに420万人の雇用をつくり出すとアピールする。
今回の選挙では12の政党が、それぞれの公約を掲げ、15日までの選挙戦を経て、あす16日に国民の審判を迎える。
民主党にとっては政権3年の評価を問われる選挙でもある。ただ、これまでの3年の評価以上に、目の前に立ちはだかる多くの課題にいかに立ち向かい、解決する実行力を供えた安定政権を樹立することができるかどうか。今回の選挙は未来選択の選挙とも言える。
東京電力福島第一原発事故のような状況が福井で生じれば、あるいは他の地域で生じれば、日本のような小さな領土では、壊滅的打撃を受けることは福島原発事故が証明している。
国民世論の半分が原発ゼロ社会を期待していたが、原発への対応、エネルギー政策でどういう方向にどのような速さで進もうとするのか。これも選挙で大きな答えを出さなければならない。
また、高校や大学を卒業しても正社員になれない、就職できない若者が多数いる。雇用問題をはじめとして、就労して自立する環境づくり、経済の再生は、国民の生活、社会の安定に欠かせない喫緊の課題になっている。これにどう対応するのか。対応できる政党はどこか。
竹島や尖閣、北方四島で特に関心が集まる外交問題への対応。沖縄の負担軽減など、こうした課題をどの政党に託すのか。16日の選挙は大きな意味を持つ。(編集担当:森高龍二)