日本学生野球協会は、18日東京で理事会を開き「学生野球の資格回復に関する規制」の改正を承認した。これにより、元プロ選手の学生指導に関する障壁が無くなり「雪解け」が本格的となった。日本野球機構(NPB)もこの門戸開放を、歓迎する姿勢を見せている。
プロと学生の2段階による研修で、学生野球資格は回復するが、プロ側は、独自に「NPB公認指導者ライセンス制度」を設置。来年2月と3月の3日間かけて、実技指導を行う。
これまで日本学生野球協会は、プロ経験者が高校、大学の指導者になるための条件としていた、2年間の教員歴を廃止して、2段階式の座学による研修会を受講すれば指導者になれるなど受け入れ条件を大幅に緩和した。
学生側は、研修会に、体罰の禁止や特待生の措置、謝礼金や経費の取り扱いへの徹底指導を盛り込み、教育的視点を優先する内容としている。新規約は、7月1日から適用する。
指導するに当たって課せられるのは研修のみとなる。プロと学生野球との規制は1950年に制定された「日本学生野球憲章」から始まる。つまり学生野球側が、プロとのかかわりを制限したのだ。そして社会人選手をプロ球団が引き抜いた”柳川事件”で対立が本格化した。学生側は、元プロのアマ復帰は認めないと宣言、これが長い間の足かせとなり、プロ・アマの交流は途絶えることになる。
その間ドラフト逆指名、シドニー五輪のプロ・アマ合同チームの結成な、徐々に歩み寄りを見せる。そして今回の大幅な規制緩和である。
元プロ選手が学生を指導できることになり、高校野球関係者からも歓迎する声も聞かれる。プロ野球側も、戦力外通告の選手に対して、第二の人生を歩ませる機会が増える。しかし大きな壁となるのが教員免許の取得だろう。その辺の問題が解決されなければ真の規制緩和と言えないだろう。(編集担当:犬藤直也)