ロシアのサンクトぺテルブルクでこのほど開かれた、IOC(国際オリンピック委員会)理事会で、レスリング、野球・ソフト、スカッシュが、9月に開催されるIOC総会(アルゼンチン・ブエノスレスレス)での正式決定に向け最終候補として残った。
この3競技から実施する1競技を選ぶ。初実施を狙った空手、ローラースポーツ、スポーツクライミング,ウエークボード、武術は、最終候補から外れた。20年五輪で実施される競技は、最大28協議で、IOC理事会が中核競技と指定した25競技と16年五輪から採用されるラグビー(7人制)、ゴルフはすでに決定している。残り1競技の枠を8競技が争っていた。
レスリングは、2月のIOC理事会で、中核競技から外され、五輪競技から外すか否かの判断を9月の総会に決断を先送りしていた。この五輪伝統競技の除外には、世界中から反発の声が上がり、その反発の大きさに、IOCも躊躇せざる得なくなった。
五輪の肥大化抑制のため、12年五輪から協議の入れ替えが、始まった。財政強化への狙いである。新たな協議を取り込むことで、新スポンサーの獲得や、テレビ等の放映権アップを目論んだ.その犠牲となった形がレスリングと見る向きは多い。
伝統競技を外すというその反発は予想外に大きかった。こうしたIOCへの不信感は大きく、レスリングに限らず国際競技連盟(IF)を初めとして広がっていった。それは、ロゲ会長を除く14人の理事の投票で決められたのだ。いわば密室の判断だった。
レスリングは、1896年の第1回アテネ五輪から実施されてきた伝統競技。五輪発祥の地ギリシャでも反発する声が大きい。
野球ソフトボールに関しては、3大会振りに復帰の望みをつなぐ。今回「男の野球」と「女のソフトボール」で手を組み、組織上「世界野球ソフトボール連盟(WBSC)」に統合した。
もう一つのスカッシュは、今回が3度目の挑戦となる。英国生まれの協議で、日本ではまだマイナー競技だが、欧州での人気は高く、IOC理事16人の内、9人を欧州勢が占めることもあり、ダークホース的存在。(編集担当:犬藤直也)