オレオレ詐欺や架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金などの詐欺事件を合わせた「振り込め詐欺」は今年1月だけで1563件の発生が確認され、被害総額は21億9064万7082円に上っていることが警察庁のまとめで分かった。1月中に検挙されたのは93件、検挙人数は20人だった。
昨年同月に比べ件数で1・5倍(58・6%増加)、被害額でも2倍近く(昨年は10億9850万1667円)に拡大していた。
中でも、オレオレ詐欺は11億5667万5476円の被害額と振り込め詐欺被害の52・8%を占めていた。前年同月(5億4328万3411円)の被害額に比べても2・13倍になっていた。
オレオレ詐欺で使われる手口で多い名目では、会社でのトラブル・横領などの補填金が最も多く、全体の43・6%(215件)、次いで、サラ金など借金返済名目で全体の27・3%(135件)。このほか、妊娠中絶手術費(6・2%、31件)、わいせつ行為示談金(4・0%、20件)、公共交通機関での痴漢行為示談金(0・4%、2件)などがあがっていた。交通事故の示談金は1件のみで、前年同月に比べ13件減少した。逆に会社でのトラブル・横領などの補填金を名目にした詐欺が前年同月の61件から今年は1月に215件と急増しているのが目立っている。
このほか、還付金などの詐欺事件も1月に426件が確認され、被害額は4億4989万4168円と、前年同月(8611万5315円)に比べ5・2倍に跳ね上がっていた。
オレオレ詐欺、還付金詐欺ともに男女共通して60歳代から70歳代での被害者が多かった。架空請求詐欺の被害者は20歳代以下や30歳代、40歳代に多くみられた。