日本の森林土壌は欧米より地球温暖化緩和機能が高い 森林総合研究所

2008年03月10日 11:00

 日本の森林土壌が、欧米と比べて単位面積当たりの温室効果ガスであるメタンの吸収(分解)量が2倍程度大きく、亜酸化窒素の放出量は半分以下であることが独立行政法人森林総合研究所の調べで分かった。同研究所では「日本の森林土壌は欧米に比べ、地球温暖化の緩和機能がより高いと考えられる」としている。

 これは同研究所が我が国の代表的な森林土壌26箇所を選び、メタン吸収量と亜酸化窒素放出量を現地で測定し、分析したもので、その結果、「我が国の森林土壌全体で1年間に1ヘクタール当たり、6・9kgのメタンが吸収され、0・2kgの亜酸化窒素が放出されていることが推定される」としている。

 このメタン吸収量、亜酸化窒素放出量の推定値を地球温暖化指数(同等の温室効果をもつCO2の量に変換する係数)でCO2量に換算すると、メタン吸収量は347万CO2トン、亜酸化窒素放出量は159万CO2トンとなり、差し引きで188万CO2トンのCO2吸収量に匹敵。「日本の森林土壌はメタンを吸収する重要な働きを担っていることがわかった」という。

 こうした効果が生まれる要因として、同研究所では「日本に火山灰由来土壌が広く分布するため、火山灰由来土壌が多孔質であることが関係していると考えられる」としており、今後、この吸収メカニズムを解明していく意向だ。

 なお、欧米の森林土壌では単純平均値でメタン吸収量は3・8kg、亜酸化窒素放出量は1・2kgの数値が示されている。