10月に入ったというものの依然として暑い日も多い最中、多くの企業では既にクリスマス商戦が開始されている。日本においてもハロウィンが認知度を高めてきたとはいえ、イベントごとと言えばやはりクリスマスが最も盛り上がりを見せるようである。
ヒルトン東京ベイでは、オリジナルクリスマス限定宿泊プラン「ザッツ・クリスマス」の販売を開始。客室がクリスマスツリーなどのデコレーションで飾られ、クリスマスケーキを室内で頂く、クリスマスムードたっぷりの宿泊プランとなっており、毎年、販売と同時に予約するファンも多いという。また、ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルもクリスマス宿泊プランを発表。特製オードブル又はクリスマスケーキの2種から好きなルームサービスを選べ、シャンパンも付くプランや、シャンパンと共に、朝食を優雅に楽しめるプランなど3プランを設定している。その他、はとバスグループでレストランシップを運営しているシーライン東京が、東京スカイツリーと東京ゲートブリッジという2大新名所を含めた東京随所の夜景を楽しめるディナークルーズの「クリスマスカップルプラン」を設定するなど、内食傾向が強まった人々を外に連れ出すための施策が数多く練られ、提案されている。
また、他社との差別化を図ろうと年々クリスマス商戦が激化しているのがコンビニエンスストア業界である。ファミリーマートでは、「初音ミク クリスマス♪ピアノケーキ」と「TIGER&BUNNY ワイルドタイガークリスマスケーキ」の予約受付を開始。いずれもファミリーマートオリジナルフィギュアがつき、数量限定で予約販売のみだという。セブンイレブンでは、「クリスマスパーティーメニュー」の予約受付を開始。「みんなで楽しむ」をコンセプトに、ケーキからオードブル、ワインまでをワンストップで頼むことが出来る。こちらはAKB48とタイアップしており、プロモーションだけでなく商品開発にもAKB48が関わるという。ローソンでもクリスマスケーキ&パーティーフーズの予約受付を開始。オリジナルスイーツブランド「Uchi Cafe SWEETS」の大ヒット商品「プレミアムロールケーキ」と「ぎゅっとクリームチーズ」がクリスマスケーキになって登場。さらに、定番ケーキだけではなく、数量限定の1万円ケーキやエヴァンゲリオンなどの人気アニメとのコラボケーキなどを取り揃えているとのこと。
その他、任天堂 の新しいゲーム機「Wii U」の発売も年末に予定されている中、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンが、新型PS3の250GBハードディスクドライブ搭載モデルと、専用ソフトウェア「みんなのGOLF 6」をセットにした数量限定商品の発売を発表したりと、あらゆる業界がクリスマス商戦で火花を散らしている。
今年のクリスマスは平日なものの、12月23日の天皇誕生日が日曜日にあたるため、24日のクリスマスイブが振替休日となり、22日からの3連休をクリスマスの為の予定に当てる人が多いであろう。依然として景気は低迷を続けているため、大型家電等の消費に対する風当たりは強い。一方で「ちょっとした贅沢」に対する消費は、例年よりも多くなるのではないだろうか。クリスマスを含めた年末商戦が年始の勢いを左右するだけに、各企業がどういった戦略でこの商戦に臨むのか、注目して見て行きたい。