平成20年度の経済財政運営の基本的態度

2008年01月25日 11:00

 成長力の強化、地方の自立と再生、安心と信頼のできる財政、社会保障、行政の構築を一体で推進【政府閣議決定】

 政府は平成20年度の経済財政運営の基本的態度を1月19日までに閣議決定した。
基本的態度として「成長力の強化、地方の自立と再生、安心と信頼のできる財政、社会保障、行政の構築を一体のものとして推進する」としている。
まず、安心と信頼のできる財政、社会保障、行政の構築のために、歳出改革では平成23年度に国と地方の基礎的財政収支の黒字化を確実に達成する。
平成20年度予算においては新規国債発行額で今年度当初予算より減額し、25兆3480億円とする。
 税制については、今後、平成20年度与党税制改正大綱の基本的考え方を踏まえ、消費税を含む税体系の抜本的な改革について、早期実現を図る。また、平成20年度税制改正においては持続的な経済社会の活性化を実現する等の観点から、法人関係税制、中小企業関係税制、金融・証券税制、土地・住宅税制等について適切な措置を講ずる。また、民間が担う公益活動を推進する観点から、公益法人制度改革に対応する税制措置を講ずるとともに寄附税制の見直しを行う。併せて、地域間の財政力格差縮小のため所要の措置を講ずるとしている。
 社会保障と税について一体的に改革するため給付と負担の両面から社会保障制度のあるべき姿を描き、そのための安定的な財源を確保する。
平成20年度には、医療その他の分野の制度・施策の見直し等に取り組むとともに、「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」に定めた目標の実現に向けて、実効性のある改革を進める。
 年金記録問題や未納・未加入者対策に着実に取り組むとともに、組織や運用の見直しなど、年金を巡る諸問題の解決に取り組む。
基礎年金国庫負担割合については「平成16年年金改正法」に基づき、所要の安定的な財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、平成21年度までに2分の1に引き上げる。
 国民の希望する結婚・出産・子育てを実現できる社会にするため男女双方の仕事と生活の調和の実現、子育て支援の社会的基盤の充実の2つの取り組みを車の両輪として進める。
 一方、成長力の強化では目標実現のために、ITを徹底活用し、老いも若きも、都市も地方も、大企業も中小企業も連携してともに成長する「全員参加型の経済」、世界でオンリー・ワンの付加価値を追求し、環境制約等のリスクを好機に転換して成長するとともに、長持ち・ゆったり生活で質の高い生活を創造する「強みを伸ばす経済」、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを拡大する、オープンな「世界とともに成長する経済」を目指す。
 全員参加型の経済戦略では「大企業と都市と勤労者が牽引する経済を見直し、中小・ベンチャー企業、地方、消費者、高齢者等をも主役として、ともに成長する経済を構築し、安心のセーフティネットとあいまって、厚い中流層を維持する」考えだ。
 強みを伸ばす経済戦略では「弱みを嘆き、保護する経済から脱却し、強みを育てることにより、国際競争力を生み出す」としている。
世界とともに成長する経済戦略では「世界のダイナミズムを積極的に取り入れることで飛躍してきた国民性を最大限に発揮する」としている。