豊田通商が、アルゼンチン・オラロス塩湖のリチウム資源開発会社の株式25%を取得すると発表。日本企業として初めてリチウム開発プロジェクトに出資した企業となる。
今回の株式取得は、オーストラリア・オロコブレ社と共同でリチウム資源開発のための事業化調査を実施してきた豊田通商が、アルゼンチン・フフイ州より開発許認可・採掘権取得を受けたことによるもの。シンガポールの特定目的子会社及び持株会社を通じて資源開発会社の株式25%を取得。2012年10月にオラロス塩湖からかん水を汲み上げ精製する工場建設に着工し、2014年2月から生産を開始する予定で、炭酸リチウム年間17500トンの生産を目指すとのこと。さらに同社は、当該プロジェクトの生産物である炭酸リチウムの100%販売代理権の取得も予定しており、将来に向けてリチウムの上流から下流までのサプライチェーン構築を目指すという。
炭酸リチウムをもとに作られるリチウムイオン電池は、スマートフォンやタブレットPC、電気自動車などの普及に伴い、需要が高まっている。富士経済の調査によると、2011年のリチウムイオン2次電池の市場規模は1兆810億円が見込まれていたものが、2016年には2兆4028億円にまで拡大すると予測されている。自動車を始めとする日本の製造業とは関係の深い分野であるだけに、今回の出資を皮切りに、日本企業によるリチウム開発への積極的な参入を期待したい。