政府は13日の持ちまわり閣議で、社会民主党の福島みずほ前党首(参議院議員)らが提出していた集団的自衛権に関する質問主意書に答弁した。「現時点では集団的自衛権に関する憲法解釈は従来通り」と回答。集団的自衛権は有するが、現憲法下では行使できないとの解釈だ。
ただ、一方で「わが国周辺の安全保障環境がいっそう厳しさを増す中で、それに相応しい対応を可能とするような安全保障の法的基盤を再構築する必要があるとの認識の下、集団的自衛権の問題を含めた憲法との関係の整理について現在(安保法制懇談会で)検討が行われているところ」とし「懇談会での議論を踏まえて、政府として対応を改めて検討していく」と、現憲法下での集団的自衛権の行使容認に向けた事実上の解釈改憲に取り組む安倍政権の姿勢を鮮明にした。
福島前党首は「政府の憲法解釈では集団的自衛権(の行使)は違憲。(これを)合憲とねじまげることはできない」と「懇談会での議論を踏まえて対応を改めて検討していく」とする安倍政権を強くけん制した。
同様の質問主意書は民主党の辻元清美副幹事長(衆議院議員)も出していた。辻元議員は「現時点で集団的自衛権に対する政府の憲法解釈が従来通りであることが確認されたことは重要」と意義を語るとともに、「何ら法的に位置づけられていない安倍総理の私的諮問機関(安保法制懇談会)の『議論を踏まえて』などとしているが、歴代の政府が踏襲してきた憲法解釈が私的な集まりの意見で覆(くつがえ)されるものではないと考える」として、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈はできないとの考えを示した。(編集担当:森高龍二)