佐藤正久防衛大臣政務官は7日、集団的自衛権の行使について「日本防衛のために必要な類型もある」と具体的なケースについて行使の是非を冷静に議論していくべきとの考えを示した。
佐藤政務官は「集団的自衛権議論は幅がある議論」とし「短絡的に、米軍支援目的の自衛隊海外派遣拡大に繋がると論ずる方もいるが、日本防衛のために必要な類型もある」とした。
これは、専守防衛の平和憲法下の範囲で集団的自衛権の行使について議論を個別具体的に検討する必要をアピールしているものと受け取れる。佐藤政務官は「日本へのサイバー攻撃には米国だけでなく欧州等との連携が必要な場合もあるかもしれない。守るべきものを如何に守るか、冷静な議論が必要」と訴える。
一方、海外派遣拡大につながるなど猛反発している日本共産党の志位和夫委員長は「自衛という言葉があるが日本の防衛とは無関係。アフガン・イラク戦争のような米国の海外での無法な戦争に、戦闘地域までいって自衛隊が共に戦うのが目的。そんな大問題を内閣法制局長官の首をすげ替えて強引に進めようとするクーデター的暴挙」と断固阻止すべきだと訴えている。
いずれにしろ、日本防衛だけの集団的自衛権の行使という概念が相手国(米国)との間で成立しうるのか、日本防衛のために必要な類型という括りで集団的自衛権の行使が成り立つのかは疑問。(編集担当:森高龍二)