菅義偉官房長官は10日、民主党政権下で尖閣国有化が図られて11日に1年を迎えるのを踏まえ、記者団から「当時、政府は東京都が所有するより、国が所有するほうが日中関係への影響が少ないとの説明だったが、国有化によって領海侵入は頻繁になっているが、どう評価しているか」と聞かれ「尖閣諸島は歴史的にも、国際法上もわが国固有の領土であり、現にわが国は有効支配している」とした。
そのうえで、菅官房長官は「度重なる中国公船の領海侵入は極めて遺憾だ」と述べた。そして「安倍政権はわが国の領土・領海・領空は断固として守る。毅然とした対応とともに冷静に対応している」とした。
これに記者団から「中国公船の領海侵入に歯止めがかかっていないのが現状だが、実効支配が揺らいでいるとの懸念はないか。実効支配強化についての考えは」と聞かれ、「領海侵入についてはしっかり対応しており、主権の問題については決して譲歩することはない」と強調した。
また、尖閣に公務員を常駐させるとしたさきの自民党の選挙公約との関連では「戦略的観点から考えていくべきだろう」と視野に置くが慎重に扱うべき問題との姿勢をうかがわせた。
また「尖閣諸島をめぐる領土問題は存在していない」と改めて断言した。そのうえで、菅官房長官は「個別の問題が日中両国の関係全体に影響を及ぼさないように、互いに努力、発展させていく戦略的互恵関係の考え方にのっとって、常に対話のドアはオープンである」と述べた。(編集担当:森高龍二)