内閣府が全国の成人男女3000人を対象に尖閣諸島についてアンケート調査をした結果、有効回答の1801人中、91.1%が尖閣諸島を知っていると答え、知らなかったは7.7%。また73.7%が関心あると答え、関心があると答えた人のうち、関心を持つ内容の62.6%は『わが国の尖閣諸島に対する領有権の根拠』だった。
また、関心がないと答えた人に関心がない理由をあげてもらうと61.2%は「自分の生活にあまり影響がないと思うから」というものだった。一方で、37.4%は「知る機会や考える機会がなかったから」とした。「内容が難しいから」というのも24.9%あった。
調査は今年7月に面接による聴取方法で実施。尖閣諸島への関心を高める方法については79.1%が『テレビ番組や新聞を利用した詳細な情報提供』をあげ、『歴史資料や文献の展覧会』をあげた人が35.9%、『見易さや分かりやすさを重視したネット・HPの解説』をあげた人が33.9%あった。
アンケート調査では資料として、回答者に以下の説明を行って質問した。「尖閣諸島は石垣島の北方約170キロメートル離れた東シナ海に位置し、魚釣島、久場島、北小島、南小島、大正島などから成っている。我が国は1885年以降、再三にわたり尖閣諸島の現地調査を行い、単にこれが無人島であるのみならず、他国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重に確認の上、国際法の原則(無主地の先占)に従い1895年に閣議決定を行って沖縄県に編入した。その後、尖閣諸島においては鰹節の製造などが行われ、日本人が居住していた。
戦後、サンフランシスコ平和条約において尖閣諸島は我が国が放棄した領土には含まれず、南西諸島の一部として米国の施政下に置かれたが、当時、中国・台湾は一切異議を唱えなかった。1972年発効の「沖縄返還協定」では尖閣諸島は我が国に施政権が返還された地域の中に含まれている。
しかし国連の報告書で東シナ海に石油埋蔵の可能性があることが指摘されると我が国の閣議決定から76年後の1971年になって初めて、それまで何ら主張を行っていなかった中国・台湾は尖閣諸島の「領有権」について独自の主張をするようになった。2008年以降は継続的に中国政府の船舶が尖閣諸島周辺海域に派遣され、頻繁に領海侵入するなど、我が国への挑発的行動を繰り返している。
我が国としては日本の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意の下、冷静かつ毅然とした対応を行うとともに、中国に対して厳重に抗議を行っている。尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いなく、現に我が国はこれを有効に支配しており、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しない。尖閣諸島について『棚上げ』すべき問題は存在せず『棚上げ』に合意したという事実もない」(日本政府の説明)。(編集担当:森高龍二)