16日、ギリシャのストゥルナラス財務相は、ギリシャの2014年の資金不足を補てんする方法に関して、12月にも国際機関が合意するとの見通しを示した。
ストゥルナラス財務相は、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の作業部会を率いるトーマス・ウィーザー氏との会合後に、「あらゆる選択肢について話し合いを行った。12月には決定されることだろう」とコメントしている。
現在、ギリシャが受けている第2次支援は14年末までの資金手当てを目的としており、同年の下半期にはその資金が不足するとの見通しがなされている。欧州委員会ではその不足額を38億ユーロ、国際通貨基金(IMF)では44億ユーロと試算している。
14日に欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は、ギリシャにおいて14年の下半期に50億〜60億ユーロ程度の財源不足が生じるとの見方を示しており、「その不足規模はギリシャで起こっている民営化計画の結果次第で変わる」とコメントしている。しかし欧州中央銀行としては、政府債務のマネタイズにあたるとして「ギリシャの資金需要を緩和するための国債のロールオーバー(償還金の再投資)に応じることは出来ない」と述べ、それを拒否する姿勢を示していたが、ギリシャ財務省当局の関係者は、依然として国債のロールオーバーは選択肢のうちの一つとの認識を示している。
来週の初めごろには、国際支援機関の調査団(トロイカ)がアテネに入る予定で、ギリシャ財務省当局の関係者は、これから数日間、調査団と広範囲にわたって検討を行うと述べ、活路を見出すことに期待を寄せている。
しかし別の財務省当局の関係者は、ギリシャ債務の削減方法についての決定は、来年の4月以降になるのではないかという、見通しを示している。13年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)が黒字化を達成したことをデータによって確認してからになるのではないかと、そう述べている。
ギリシャは10年の春に、ユーロ圏の同盟国と国際通貨基金(IMF)から、数十億ユーロもの融資の要請を初めて余儀なくされた。それ以来、金融市場からは事実上締め出された形となっている。(編集担当:滝川幸平)