ビジネス ソフトウェア アライアンスは第7回世界ソフトウェア違法コピー調査の結果を11日、発表した。その結果、全世界での違法コピーによる損害額は、今年中にEUとIMFがギリシャに融資する400億ユーロー(約4兆8000億円)に相当する514億ドルにもなっていると指摘している。
同社によると、今回は世界111カ国を対象に調査を実施したとしており、2009年の日本国内での違法コピー率は21%と前年と変わらず、違法コピー率は世界で2番目に低い水準となった。しかし、損害額は18億3800万ドル、日本円で1719億円にのぼり、前年より2ランク悪くなり、世界ワースト8に入った。
それによると、低違法コピー率のトップ3はアメリカ(20%)、日本(21%)、ルクセンブルク(21%)で、逆に90%を超える高違法コピー率の国家はグルジア(95%)、ジンバブエ(92%)、バングラディシュ(91%)、モルドバ(91%)、アルメニア(90%)、イエメン(90%)という。
高違法コピー損害額の高額3は、アメリカの83億9000万ドルを最高に、中国の75億8300万ドル、ロシアの26億1300万ドルだった。
また、報告書は世界の違法コピー率の上昇要因について「一般消費者のパソコン市場の急速な拡大、既存パソコンへの非正規ソフトウェア・インストールの増加、違法行為およびサイバー犯罪の巧妙化」と分析している。
ビジネス ソフトウェア アライアンスでは「被害の減少にはソフトウェアメーカーによるリーガライゼーション(合法化)プログラム、政府や業界団体による教育啓発キャンペーン、権利執行支援活動の実施、そして企業内でデジタル著作権管理(DRM)やソフトウェア資産管理(SAM)の採用など、技術面での取組みが重要」としている。
(編集担当:福角忠夫)