住友電工、インドネシアに切削工具技術サービス拠点を開設

2013年10月21日 07:36

 急速な経済成長が続くインドネシアでは自動車需要が急拡大している。それに追い打ちをかけるように、インドネシア政府も低価格環境車・LCGC(Low Cost Green Car)の製造に対して税額控除などの優遇政策を始めた。そういった自動車生産の伸びとともに切削工具の現地需要も伸長している。

 そんな中、住友電工<5802>は、インドネシア市場における切削工具の販売拡大の一環として、1億5000万円を投じて切削工具技術サービス拠点In-TEC(インドネシアツールエンジニアリングセンター)を開設した。2階建てで、延床面積は700平米メートル。

 同社は、今年9月にインドネシアの現地生産拠点SUMIA社(PT.Sumiden Hardmetal Manufacturing Indonesia)で切削工具製品の生産を開始している。

 このSUMIA社の順調な立ち上がりに伴い、現地販売会社のSEHI社(PT.Sumitomo Electric Hardmetal Indonesia)は、インドネシア現地での技術サービスの充実を図るため、In-TECをSUMIA社敷地内に設立し、10月7日に開所式を行った。

 同社では、最新の工作機械や分析・計測機器、セミナールーム等を備え、専門スタッフを擁するTEC(ツールエンジニアリングセンター)を国内外に展開している。今回開設したIn-TECは、切削工具メーカーによる技術サービス拠点として、同国初の施設となる。これは同社にとってアメリカ、ドイツ、タイ、中国に続く海外拠点であり、日本国内の5拠点を加えると、合計10カ所の技術サービス拠点を擁することになる。

 インドネシア市場においては、SUMIA社による超硬ドリル、CBN刃先交換チップ、ダイヤ焼結体刃先交換チップなどの現地生産と再研磨サービスに加え、併設するIn-TECにて、SEHI社による技術サービスを提供していく。製販一体で現地需要に対応し、同市場での現在の同社推定のシェア20パーセント弱から2017年度には30パーセントへの拡大を目指すとしている。また、国内外のTECのネットワークを活かし、インドネシアに進出する日系ユーザーへのサポート体制も一層強化していくという。(編集担当:久保田雄城)