スズキ 「ワゴンR」を武器にインドネシアでの生産を強化

2013年09月29日 10:29

 スズキ<7269>のインドネシア子会社「スズキ・インドモービル・モーター社SIM(スズキ・インドモービル・モーター)は、インドネシア仕様の1000CCのエンジンを搭載した乗用車「ワゴンR」(現地名:KARIMUN WAGON R)の生産を開始した。

 「ワゴンR」はインドネシア政府のLCGC(Low Cost Green Car)政策に適応した低燃費の5人乗り乗用車で、SIMのタンブン工場で9月より生産を開始し、インドネシア国内に投入する。「ワゴンR」は、低燃費を実現、現地調達率を向上させLCGCの認定条件をクリアする予定だ。

 スズキのインドネシアでの四輪車は、2012度は年間14万9千台の生産実績だった。同国の自動車市場拡大に対応するため、既にタンブン工場での内作率向上のための投資を進めており、また12年にはジャカルタの東方にあるGIIC工業団地内に、130万平米メートルの土地を購入し、新しいエンジン・トランスミッション工場と四輪車体組立工場を建設中である。

 エンジン・トランスミッション工場は、チャクン工場のエンジン生産の一部を移管し、鋳造・鍛造から機械加工、熱処理、組立まで一貫して生産することにより、内作率を大幅に引き上げ、生産効率も向上させる。14年2月より順次稼働を始め、14年11月には一貫生産体制となる予定。
 
 四輪車体組立工場は、タンブン工場から「エルティガ」の生産を移管し、15年1月から稼働する予定。今後は「ワゴンR」の生産も行っていく予定である。新エンジン・トランスミッション工場と新車体工場の稼働により、15年度にはインドネシア全体で25万台の生産能力を持たせ、市場の動向を見ながら順次生産能力を向上していくという。GIIC工業団地における一連の投資総額は約930億円となる。

 スズキは、新型車「ワゴンR」の発売とインドネシア国内の生産能力向上により、インドネシアをASEAN地域の重要拠点として位置づけ、効率的な生産と販売増に取り組んでいくとしている。(編集担当:久保田雄城)