1987年にJRA(日本中央競馬会)の騎手としてデビュー。幾多の記録をつくり「天才騎手」と呼ばれる男だ。名前は「武豊」である。
2013年11月17日、京都・淀の競馬場で第30回マイルチャンピオンシップGⅠが芝コース1600mで行なわれ、そこでトーセンラー号に騎乗してGⅠレースで100勝という前人未踏の金字塔を達成した。
勝利者、武豊の記録・経歴からポイントとなるものをピクアップする。
まず、デビューしたその年に「京都大賞典」で重賞初勝利を飾り、年間69勝を達成し新人記録を更新した。2年目にしてGⅠ「菊花賞」を勝利し最年少でクラシックを制覇した。デビュー4年目の1991年7月に史上最速最年少でJRA500勝を達成した。同年秋、東京競馬場(府中)で行われた天皇賞(秋・GⅠ)でメジロマックイーンに騎乗し1着入線するも、進路妨害で18着へ前代未聞の降着処分を受ける。
しかし翌年、1992年「春・天皇賞(京都)」で同じくメジロマックイーンに騎乗し1着。「春天」4連覇を果たした。同年8月、最年少でJRA600勝を達成した。翌1993年4月に700勝、同時に桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)の春クラシックを3連覇。1994年は海外にも進出。9月の仏パリ・ロンシャン競馬場でスキーパラダイスに騎乗して、JRA騎手として初の海外GⅠ「ムーラン・ド・ロンシャン賞」を制覇した。1995年にはJRA通算1000勝を最年少で獲得した。
1998年、勝てなかった東京優秀(日本ダービー)をスペシャルウィークで勝利すると、翌年もアドマイヤベガでダービー勝利。史上初のダービー連覇騎手として記録を残した。同年10月にはJRA通算1700勝を最年少で獲得する。
その後、曲折がありながら2003年には、この年のJRAすべてのGⅠに騎乗した。また、年間204勝を上げる快挙を成し遂げ、2005年の212優勝まで3年間200勝オーバーという驚異的な記録を作った。その2005年には、ディープインパクトで、皐月、ダービー、菊花の3冠を獲得した。
そして、2013年東京優駿(日本ダービー)をキズナで勝利(ダービー5勝目)し、27年連続重賞勝利記録を更新している。(編集担当:吉田恒)