楽天が、クーポンサイト「Shareee(シェアリー)」を運営するシェアリーの発行する株式の7割を取得したと発表。今後は、既存株主である光通信と共同で同サイトの運営を行うと同時に、楽天グループが運営する各インターネットサービスとの事業シナジーを創出し、「楽天経済圏」のさらなる拡大を目指す。
2010年の4月にクーポン共同購入サービスが国内で初登場し、インターネット市場ではクーポンという新たなマーケティングツールが急速に発達。その中で「シェアリー」はレストラン予約、宿泊予約、リラクゼーション施設予約などの商材をメインに取り扱い、現在、取扱高で国内第3位となっている。一方の楽天は、主力事業であるインターネット・ショッピングモール「楽天市場」をはじめ、2011年度国内EC事業全体の年間取扱高は約1兆2000億円と、日本最大級の規模を誇っている。
今回の楽天によるシェアリー社への出資により、「シェアリー」の共同運営者である光通信が保有するオフライン分野での営業力と、約7800万人を有する楽天の会員資産およびWebやメール等を活用した送客能力など、両社の強みを生かすことにより、楽天におけるO2O(オンライン・トゥー・オフライン)事業のひとつとしてクーポン事業を拡大するとのこと。今後の展開として、まず楽天が提供する決済サービス「楽天あんしん支払いサービス」を「シェアリー」に導入し、楽天スーパーポイントを媒介とした新規顧客の相互送客を図り、将来的には、2010年に運用を始めた楽天グループ内のみで利用できるクーポンサービス「Racoupon(ラ・クーポン)」と、「シェアリー」を基盤とするクーポン事業の連携を強化する。
ルクサの調査によると、クーポン共同購入サービスの2011年度における推定累計総売上高は約380億円と、2010年度比で約4倍(およそ390%)にまで市場が急拡大している。一方で、総売上高の99%を上位10サイトで独占しており、参入サイトの淘汰も進んでいるという。楽天が本格参入することで、この市場がどう動くのか、注目の集まるところであろう。