自らの操作ミスを隠すため自動列車停止装置(ATS)のスイッチを壊した運転士をJR北海道は23日、器物損壊罪で刑事告訴した。この対応についての感想を記者団から求められた菅義偉官房長官は同日夕の記者会見で「(告訴は)当然のこと」と語った。
これは昨年9月7日にATSのスイッチを切り忘れ、列車を非常停止させた運転士がミスの発覚を恐れATSのスイッチをハンマーでたたくなどして壊した。JR北海道はこの運転士を15日の出勤停止処分にしたが、国土交通省は甘すぎるとして今月21日、この運転士の運転免許取り消しを通知していた。
菅官房長官は「公共交通機関として、北海道民のためにも極めて重要な公共交通機関であり、運転に携わっている人が事故を未然に防ぐための装置であるATSを壊したのだから」と責任の重さを指摘。
菅官房長官は「社内処分でたった15日の停職ですか、そんな処分で通るのであればJR北海道として、これから真剣に安全に取り組む姿勢はないのではないか」と対応を批判。
菅官房長官は「告訴は誰に聞いても極めて常識的なことだと思う。(JR北海道が決定した15日の停職処分を聞いたとき)何だろうと思いました」とあきれたようだった。菅官房長官は「あまりにも安全に対する認識がなさ過ぎる」と繰り返し、JR北海道のこれまでの対応について、安全管理認識がなさ過ぎると批判した。(編集担当:森高龍二)