必要な音だけが聞こえる耳せんが登場

2014年02月08日 10:06

耳

キングジムが2014年3月7日から発売する「デジタル耳せんMM1000」は、周囲の騒音を約90%カットし、人の呼びかけ声などは聞き取ることができる耳せんだ

 仕事や勉強、読書などで集中したい時、周囲の騒音が煩わしい時がある。通勤時の電車内の騒音やエアコンの空調音などを、うるさく感じるときはないだろうか。キングジム<7962>が2014年3月7日から発売する「デジタル耳せんMM1000」は、周囲の騒音を約90%カットし、人の呼びかけ声などは聞き取ることができる耳せんだ。

 従来の耳せんでは呼びかけ声やアナウンス、電話やメールの着信音など、周囲の必要な音まで遮音されるため、かえって不便だという声もあった。新製品は、同社のノイズキャンセリング技術によって、主に乗り物内の騒音や冷蔵庫のモーター音、エアコンの空調音など300Hz以下の騒音を約90%カットする。

 一方で、人の呼びかけ声やアナウンスなどはしっかりと聞き取ることができる。イヤホンに内蔵された小型のマイクで周囲の騒音を収音し、マイクで拾った騒音とは逆位相(逆向き)の音波を発生させて、騒音を相殺する仕組みだ。同社独自の測定法によれば、ノイズキャンセルレベルは最大-20 dBだという。

 イヤホンコードを本体に巻き付けて収納できる機能的なデザインで、持ち運びにも便利。単4形アルカリ乾電池(1本)で約100時間の使用が可能。本体サイズは、約W64×H14×D64mm。電池を除いた重量は約33g、本体のカラーはホワイトである。価格は5229円(税込)。

 キングジムは、もとは1927年創立の名簿の老舗メーカー。メモ帳などで業績を伸ばし、ラベルライター「テプラ」が大ヒットした。デジタル時代になってからは、デジタルメモ帳などを発売している。今回の新製品は、ちょっと変わったアプローチであるが着眼点は面白い。耳せんではあるが、必要な音だけは聞こえるというのがミソだ。耳せんを使用することは日常ではあまりないと思うが、必要な音は聞こえるとなれば案外活用する場面が増えるかもしれない。(編集担当:慶尾六郎)。