英国のクオリティブランド、ジャガーが開発中の新型スポーツセダンの車名が発表された。
新型セダンは「ジャガーXE」と呼称される。基本的に昨年(2013年)秋のフランクフルト・モーターショーで公開されたSUVコンセプトモデル「C-X17」で採用していたオールアルミ製モノコックで構成するアーキテクチャーから派生するスポーツセダンである。ジャガーのスポーツサルーンの系譜は、現在「XJ」、「XF」という序列で成り立っており、「XE」のポジションもDセグメントとなることは明確だろう。DセグメントにはメルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズなどの強力なライバルが存在する激戦区だ。このクラスでオールアルミ製は初となる試みである。
フランクフルトショー発表にC-X17で紹介されたアーキテクチャーは、特別新しい設計法ではなく、最上級セダンの「ジャガーXJ」で採用されていて、オールアルミ・モノコックを今後全車に採用していくというジャガーの宣言といえそうだ。
詳細なスペック・諸元は年内に発表されるという。が、完全に新設計されるエンジンについて、一部紹介されている。「INGENIUM(インジニウム)」と名付けられたパワーユニットのラインアップはガソリンとディーゼルとなり、ともに2000ccの直列4気筒というレイアウトを持つ。この新エンジンが現在英国に建設中の新工場で生産されるという。この4気筒エンジンを搭載する新型車「XE」は最高時速300km/h超を達成し、CO2排出量は100g/km以下となる。この内容から推測すると、世界的なトレンドからトップパワー・ユニットは直噴ガソリン+過給器となるはずだ。
また、INGENIUMシリーズのパワーユニットの特徴は、出力特性が多彩であることに加えて、縦置きでも横置きでも対応出来る柔軟性を持ち、後輪駆動、前輪駆動、四輪駆動にも利用できることにあるという。
新型のXEは2014年に生産が開始され、来年早々に市場に投入される予定だ。新型のリリースを見て思い出されるのは、2001年にデビューした「ジャガーXタイプ」である。ジャガー社をして年間生産20万台メーカーを目指して生産された「小さなDセグメント・ジャガー」は残念ながら完全に失敗作だった。この失策によってランドローバーとともにインドのタタ社の傘下に入ることになったのだった
果たして、新型「XE」は、メルセデスCクラス、BMW3シリーズの牙城に食い込めるのだろうか?(編集担当:吉田恒)