安住淳財務大臣は消費税増税を含む社会保障と税の一体改革関連8法案が成立したのを受け、国民に対し「消費税だけでなく税制全体のバランスを考える観点から所得税や資産課税についても様々議論が行われた。それらを踏まえながら、今年末の税制改正に向けて格差是正や垂直的公平の確保に向け、具体的な検討を行っていく」との談話を発表した。
安住財務大臣は「衆議院、参議院ともに圧倒的多数の国会議員の賛成により法案が成立したことは歴史的な意義がある」としたうえで、低所得者層への対応や事業展開に大きな影響が予測される中小企業経営者らに対しての対応について「消費税率の引上げに伴う所得の低い方々への配慮の問題につきましては給付付き税額控除や複数税率、簡素な給付措置について国会審議や3党合意に至る協議の中で議論を深めていただいており、8%、10%の引上げ時期を見据えながら、具体的な制度設計に取り組んでいく」とした。
また「中小事業者における消費税引き上げ分の転嫁対策や住宅需要への対応などについても効果のある対策を講じていく」とした。
ただ、こうした低所得層への底上げ措置や高額所得者層への税制の見直し、中小零細事業者への対応策などについては早期に実効性のある施策が求められており、空手形にならないよう今年の税制改正に安住大臣の姿勢がどこまで反映されるのか、これから示されていく税制改正の中身が注目される。(編集担当:森高龍二)