生活を支える電力。その4月の発受電量は?

2014年05月19日 09:09

 普段生活していて、あまりそのありがたみを実感することもないかもれないが、しかし現代の日本で暮らす上で、電力はなくてはならない存在だ。パソコンでインターネットをするにしても、テレビを観るにしても、すべて電力が欠かせない。こうして私たちの生活を根底から支えている電力ではあるが、その発電量などはどうなっているのか? 普段あまりそのありがたみを実感することがないものだからこそ、時にはきちんとそうしたことを把握しておくべきではないだろうか。

 電気事業連合会が16日に発表した電力会社10社合計の発受電電力量(速報)によれば、4月は前年同月比1.8%ダウンの677億キロワット時であった。こうして前年を下回るのは3ヶ月ぶりとなる。4月は気温が前年よりもおおむね高く推移し、暖房需要が減少したことがマイナスの要因となった。

 電源別に見てみると、火力発電所が前年同月比0.55%アップの492億9170万キロワット時で、4月としては過去二番目となる高水準であった。水力発電は前年同月比6.9%アップの57億7156万キロワット時で、出水率が前年を上回ったことがプラス要因とみられている。その一方、原子力発電は前年同月に稼働していた関西電力<9503>の大飯原発(福島県)3号機と4号機が定期検査により停止しており、すべての原子力発電所が稼働停止となっていることからゼロであった。これで7ヶ月連続でのゼロである。前年同月の原子力発電は17億7000万キロワット時であった。

 そのほか、燃料実績は石炭が431万3234トン、重油が82万314キロリットル、原油が66万953キロリットル、液化天然ガス(LNG)が421万9079トンであった。

 すべての原子力発電所が稼働停止となっていることから火力発電の需要が高まり、石炭の消費量は4月としては過去最高のものとなった。また液化天然ガス(LHG)の消費量も4月としては過去三番目の多さとなった。

 2011年3月の東日本大震災によって起きた福島原発事故の発生当初は、計画停電などもあり電力に対する関心も高まったが、しかしあれから3年以上が経ち、少しずつそうした意識も薄れつつあるように思われる。そうした意識を取り戻すためにも、普段どのくらいの電力が発電されているのかを知ることは決して無駄ではないだろう。(編集担当:滝川幸平)