住友商事グループが米国テキサスで風力発電所を建設開始 1.7MWの風車を118基設置予定

2014年05月08日 10:18

 再生可能エネルギーが注目を集めている。現在では、太陽光発電が一歩リードしている感があるが、風力発電も有力な候補である。発電を風力に依存するため安定性に欠けるという、欠点はあるものの環境に優しく、事故の発生率が低いというメリットは見のがせない。

 住友商事<8053>と米国住友商事会社は、米国BNB Renewable Energy(BNB)と共に、米国テキサス州西部におけるメスキートクリーク風力発電所開発計画を推進してきた。2014年4月、住友商事グループは、子会社であるSummit Wind Energy Inc.を通じ、BNB社が保有する開発会社(Mesquite Creek Wind Farm LLC「メスキートクリーク社」)の株式50%を取得し、100%株主として、5月より同発電所の本格的な建設を開始する。

 この発電所は、テキサス州ボーデン・ドーソン両郡に位置し、2万5000エーカー(約1万ヘクタール)の土地に建設される発電容量200MWの風力発電所。13年8月の出資参画以降、住友商事グループが主導して開発計画を推進してきた。

 建設会社はBlattner Energyを起用し、15年夏頃の完工を目指す。風車はGeneral Electric社製1.7MW基を118基設置する予定で、合計で6万1000世帯分の電力を供給する。総事業費は3億4500万米ドルで、大半を銀行団(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)によるプロジェクトファイナンスで調達するという。

 メスキートクリーク社は、米国菓子・ペットフード製造販売大手であるMars (マース社」)と20年の長期売電契約を締結した。これによりマース社は20年間にわたり発電所の発電量全量分のREC(Renewable Energy Certificate)を受け取り、マース社が米国に保有する製造工場などの電力消費量とオフセットし、二酸化炭素排出ゼロ(カーボンニュートラル)を目指す。

 近年、米国では一般消費者向けビジネスを行う民間大手企業が、積極的に再生可能エネルギーを調達するトレンドが顕著であり、住友商事グループもこのトレンドを捉えた。

 住友商事グループは海外での再生可能エネルギー事業分野(風力、太陽光発電)をコアビジネスの一つに位置付け、事業の開発運営に携わり、幅広い経験を蓄積してきた。この発電所は、米国内で6番目の再生可能エネルギー事業投資だ。これに加え、中国、南アフリカおよび欧州に風力及び太陽光発電所を所有・建設しており、現時点で稼働・建設中の11案件合計で持分発電容量は約830MWに達するという。(編集担当:慶尾六郎)。