東電、福島第1原発廃炉に向けて英企業と協力

2014年05月06日 17:08

 2日、東京電力<9501>は福島第1原子力発電所の廃炉・汚染水対策を手がける社内分社である「福島第1廃炉推進カンパニー」と、原子炉や廃棄物関連施設の廃止措置に取り組んでいる英セラフィールドが、情報交換を行うことで合意したとの発表を行った。福島第1廃炉推進カンパニーと英セラフィールドの間で、互いに施設の視察や情報共有などが実施される。

 また東京電力によれば、正式な情報交換協定に先だって、協定の意義・目的を記載した「協力声名」に両社が署名したとのこと。その「協力声名」の署名は、英国訪問中の安倍晋三首相も出席した日英原子力協力イベントの席で行われた。「協力声明」の署名に関しては、日英政府や英国原子力廃止措置機構(NDA)なども関わっており、ロンドンで行われたその署名式には英国のNDA会長や気候変動大臣も参加した。

 英セラフィールドは、放射能漏えい事故(INES-5)を起こしたウィンズケール原子炉の廃止措置、放射性汚染水の漏えい事故処理などを経験していて、同分野において最新技術を有している。さらには汚染水の土壌への漏えい事故処理なども経験しているという。

 福島第1廃炉推進カンパニーと英セラフィールドの両社が署名した「協力声名」には、協定の目的として「互いのサイト(福島第一原子力発電所、セラフィールド)の視察」、「情報・報告書の共有等の実施」、「両サイトで類似する課題に関する知見を学び合うことによる目標達成への貢献」、「情報交換協定の有効性の継続的な評価の実施」などが掲げられている。

 今回の発表に関して東京電力は、「福島第1原子力発電所の廃炉にあたっては,廃止措置作業の経験を持つ海外の事業者と相互に知見を共有することが有益だと考え、原子炉や廃棄物関連施設の廃止措置に取り組んでいる英セラフィールドと、運営・技術両面に関する情報交換を行うことで合意した」としている。

 英セラフィールドは福島第1原子力発電所で採用されている汚染水処理やロボット技術に関心を示しており、また廃炉推進カンパニーは、英セラフィールドの放射性廃棄物や汚染水の管理、また長期的に廃炉へと取り組むための設備の運営面において情報交換したいとしている。(編集担当:滝川幸平)