2013年の国内ソフトウェア市場は2兆4469億円で前年比成長率8.0%と高い成長を達成した。これにはWindows XP特需が大きく寄与している。また、2018年には2兆9551億3200万円規模に拡大するという。
IDC Japan株式会社は5日、2013年の国内ソフトウェア市場の売上額実績および2014年~2018年の予測を発表した。
これによると、13年の国内ソフトウェア市場の売上額実績は、企業の業績が回復しソフトウェアへの支出が増加したことに加え、2014年4月のWindows XPのサポート終了に伴うPCの買い替え特需が大きく寄与し、前年比成長率8.0%で2兆4469億円となった。
大分類別の動向としてはアプリケーション市場が前年比成長率7.1%の1兆169億1800万円、アプリケーション開発/デプロイメント市場が前年比成長率7.1%の5155億7100万円、システムインフラストラクチャ市場が前年比成長率9.6%の9144億1100万円となった。
システムインフラストラクチャ市場が10%近い成長となった理由は、Windows XPのサポート終了前の買い替えによってPCの出荷台数が増加し、それらに搭載されるWindows OSの売上が大幅に伸びたことが主な要因。また、アプリケーション市場でも、Windows XPと同じくOffice 2003のサポートが終了したことによって、更新需要が増加した。また、アプリケーション開発/デプロイメント市場はビッグデータの需要が高まり、データベース/アナリティクスソフトウェアが成長をけん引した。
14年の国内ソフトウェア市場は、Windows XP/Office 2003のサポート終了に伴う13年の市場成長反動によって、前年比成長率は3.0%にとどまると予測した。15年以降は継続したソフトウェア投資が見込まれ、2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が3.8%、18年には2兆9551億3200万円の市場規模に達するとIDCでは予測している。
大分類市場別のCAGRは、アプリケーション市場が2.6%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が6.2%、システムインフラストラクチャ市場が3.8%と予測。
また、Windows XPのサポート終了によってPCの出荷台数の大幅な増加によって影響を強く受けた3つのPC関連市場(OS、オーサリング/パブリッシングソフトウェア、エンドポイントセキュリティ)を除くと、14年のソフトウェア市場の前年比成長率は5.0%となり、国内ソフトウェア市場全体の3.0%と比較すると2ポイントの差が出た。13年~18年のCAGRではPC関連市場を除くと4.7%となり、0.9ポイントの差が出た。このことから、Windows XP関連特需の影響を除くと、国内ソフトウェア市場は安定して高水準の成長が続くとみている。
「今後はクラウドとビッグデータが中心となって形成される次世代アプリケーションプラットフォームの上で、新たなアプリケーションを開発/稼働するための投資に徐々にシフトしていくものと考えられる」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの入谷光浩氏は述べている。 (編集担当:慶尾六郎)