需要の高まる小型発電機の正しい知識を広めるメーカーによる取り組み

2012年07月17日 11:00

k120714_035_3

ヤマハ発の関連会社、ヤマハモーターパワープロダクツが行っている「ホームセンター向け発電機アドバイザー講習会」。基本的な用語説明からトラブルシューティングまで、多岐にわたる内容で実施している。写真は「ホーマックスーパーデポひたち野うしく店」

 2011年度の市場が前年度比114.5%となったミネラルウォーターや、同185.7%となったLED照明など、昨年の震災を機に様々な市場が拡大、中でも節電・発電に関する市場の拡大は顕著となっている。この市場において、太陽光発電設備や家庭用燃料電池・蓄電池といったものが注目を集めていると同時に、小型発電機の需要も急伸しているという。

 小型発電機は、従来、工事現場や屋台・キャンプなどで使われることが主流であり、国内総需要は例年8万台程度であった。しかし昨年は、一般の家庭や法人などで、従来の用途とは異なり、パソコンなどの精密機械にも使用可能なインバーター発電機の0.9kVAから2.8kVAクラスの販売が増加。さらに官公庁においては、それらに加えて5.5から6.0kVAクラスの小型発電機の入札案件も増加し、20万台を超える需要があったという。この需要増を機に、小型発電機の販売に力を入れているのがホームセンターである。消費者が小型発電機の実機に直接触れる機会は少ない。その為、小型発電機の実機を多数展示・販売するホームセンターが増加しているという。一方で小型発電機は、一般的な電気製品とは取り扱いやメンテナンスの方法が大きく異なるため、取り扱いに関する正しい知識が不可欠な製品でもある。

 こうした状況を受け、ヤマハ発動機の関連会社であるヤマハモーターパワープロダクツが約3年前から実施している「ホームセンター向け発電機アドバイザー講習会」の開催依頼が増加しているという。同社の発電機の約6割がホームセンター経由で販売されていることから始められたこの講習会では、基本的な用語の説明から、発電機選びの目安、さらには実際の発電機を使っての取り扱い方法やトラブルシューティングなど、多岐にわたる内容を実施。4時間にも及ぶ講習会の最後には講習内容の確認テストを実施し、80点以上の獲得者をヤマハ発電機アドバイザーとして認定している。また同社HPでは、ヤマハ発電機を取り扱うホームセンターの店舗を一覧で紹介しており、その中で認定アドバイザー在籍店舗にはアイコンをつけることで、小型発電機に関するプロフェッショナルが在籍する店舗を案内している。

 震災を機に、「いざという時の災害時の備え」として必要なものという認識が広がってきている小型発電機。しかし、使用したい電気機器によっては正常に動作しないこともあり、電気や電気機器・発電機の特性をよく理解した上で、使用目的に合った最適の機種を選ぶ必要がある。そうした中、プロフェッショナルが多数存在することは、エンドユーザーにとって非常に心強いものなる。このプロフェッショナルを増やす為の取り組みが、益々広まることを期待したい。