ローソン<2651>が介護支援を目的としたコンビニを設置すると発表した。老人ホームや訪問介護など介護サービス事業を手掛けるウイズネットと提携し、2015年2月に1号店を埼玉県川口市でオープンする予定だ。ウイズネットがローソンのフランチャイズチェーンに加盟する形で店舗が設置され、コンビニ店内にはケアマネージャーが昼間に限り常駐することとなる。介護に関する相談を受け付けたり、生活支援のアドバイスを行ったり、介護サービスを受けられるよう施設の紹介にも応じる。また高齢者の集いの場としても提供できるよう、飲食スペースも設け、通常のコンビニよりも床面積を広めに設定する。17年末までに首都圏をはじめ大阪市や名古屋市などにも店舗を拡大していき、約30店まで増やすことを目指している。
ローソンは他のコンビニチェーンと比較して海外店舗数が少ない。今年7月末現在における海外店舗数は中国414店、インドネシア59店、タイ32店、アメリカのハワイで4店、合計509店となり、日本国内には11,922店がある。一方セブン-イレブン<3382>は国内で約17,000店、海外は5万店を超える。ファミリーマート<8028>も国内約1万店で、海外は5千店にものぼる。セブン-イレブンやファミリーマートが海外進出に力を注いでいるのに対し、ローソンは国内に視野を向けている。
高齢化社会が進む日本では、高齢者の取り込みが重要な課題となるだろう。ローソンは戦略の一環として13年10月に「マチの健康ステーション」となることを掲げ、健康管理サービスとしてのコンビニの役割を目標に据えた。商品には健康を支援する「ミネラル野菜」や「低糖質ブラン」などを採用し、尼崎市や松本市などの地域においても自治体と協力しながら定期健康診断受診促進運動なども行っている。全国にフィットネスクラブを展開しているルネサンス<2378>とも業務提携を図り、「健康」や「生きがい」のためのジム機能を備えた2号店の出店も計画中だ。今後、ストレッチや運動ができるスペースを併設した大型のコンビニも登場するかもしれない。(編集担当:久保田雄城)