菅義偉官房長官は原子力規制委員会が関西電力の高浜原発3号機と4号機について安全基準の審査書案を了承し、1か月かけ技術的な意見を募る手続きに入ることになったことの受け止めを記者団に聞かれ、17日夕、「原子力の安全最優先で、原子力規制委員会で引き続き、科学的、技術的見地から厳格に審査が行われることが極めて重要だと思う」と語った。
また、地元の同意について、原発が設置されている地元自治体の県や市だけの同意でよいという判断かと記者団に聞かれ「審査が行われて結論を得た後に、地元での調整と、そういうことだと思う」とし、30キロ圏内すべての自治体の同意が必要と判断するのかどうかについては答えを濁した。
また、関西電力が電気料金値上げを申請したことについて「申請せざるを得なくなったので申請したと思っている」と関電の対応に理解を示した。
また関西電力が「高浜原発が動かいないため、値上げを回避することは困難」としていることについても「現状のなかで値上げ申請せざるを得ない経営状況ということで申請されたと思う」と肯定的に受け止めた。
関西電力は「昨年、最大限の経営効率化と高浜発電所3、4号機および大飯発電所3、4号機の再稼動を前提に電気料金の値上げを実施した」とあくまでも原発再稼働に依存する電気料金体系だったとの企業姿勢を明らかにし「原子力プラントの再稼動が大きく遅延していることから、火力燃料費などの負担が著しく増加しており、平成26年度の決算も、過去3期に引き続き、赤字となることが避けられないと考えている」などと説明している。
また「業務・工事内容の見直しや調達価格の低減など徹底した経営効率化に最大限の努力を積み重ねるとともに、安全性が確認された原子力プラントの再稼動と最大の使命である電力の安全・安定供給に全力を尽くしていく」とし、原発再稼働の姿勢を強く打ち出している。(編集担当:森高龍二)