大手企業夏のボーナス、平均91.3万円。3年連続増

2015年06月02日 08:05

 「やりがい」や「充実感」といったものが大切なこともわかるが、やはりそれと同じくらい(あるいは、人によってはそれ以上に)大切なのが「お金」ではないだろうか。「お金のために仕事をしているわけではない」という人もいるかもしれないが、その人数以上にきっと「お金がもらえなければ、仕事なんてしない」という人も多いように思う。

 このように仕事のおいて大きなウェイトを占める「お金」だが、29日、経団連が今年の大手企業の夏季賞与・一時金(ボーナス)に関する第1回集計を発表。それによれば、組合員平均の妥結額は昨年の夏と比べて2.43%アップの91万3106円であり、3年連続で妥結額が前年を上回った。またリーマン・ショックが起こる直前の2008年以来、7年ぶりに妥結額の平均が90万円を超え高い水準をみせた。安倍首相による経済政策「アベノミクス」で企業の業績が大きく改善していることや、ボーナス額を業績に連動して決める傾向が強まっていることなどが影響しているものとみられる。

 経団連によるこの調査は東証1部上場で従業員が500人以上の企業を対象としており、245社に調査協力を依頼し、そのうち集計できる63社(労働組合員数約42万人)分を発表。なお、最終集計は7月下旬ごろに発表される予定だ。

 業種別に見てみると、「造船」が昨年夏比5.97%アップの87万2248円、「電機」が昨年夏比4.80%アップの85万8495円、そして「紙・パルプ」が昨年夏比5.54%アップの67万1844円といずれも前年を大きく上回った。また6社より回答があった「自動車」は昨年夏比0.19%ダウンという結果であったものの、妥結額は110万3802円であり、これで2年連続で100万円を超えている。

 そして製造業の平均は昨年夏比1.66%アップの96万7870円であり、非製造業の平均は昨年夏比9.41%アップの59万5302円であった。

 こうして発表された金額を「多い」と思うか「少ない」と思うかは個人の感じ方次第だろが、少なくとも企業の業績が改善傾向にあり、その結果、7年ぶりの高水準となったことは歓迎すべきことだろう。あとは、この影響が大企業だけでなく中小の企業で働く人たちにも及ぶことを願うばかりだ。(編集担当:滝川幸平)