政府は本年度の国家公務員給与を人事院勧告通り引き上げることを7日、閣議決定した。給与法改正案を今国会に提出する。民間従業員の給与が実質下がっているほか、財源がないとして4月からの消費税引き上げに続き、来年10月のさらなる引き上げが濃厚な中での公務員給与の引き上げは、7年ぶりとはいえ、理解が得られるのかどうか、国会でも論議を呼びそう。
菅義偉官房長官は「現下の民間の給与実態を反映した」といい「7年ぶりに俸給及びボーナスの引上げ等を行い、地域間・世代間の適正な給与配分等の実現を図る観点からの給与制度の総合的見直しを実施するもの」と談話を発表した。
また、閣議決定については「人事院勧告制度を尊重する基本姿勢に立って、国の財政状況、経済社会情勢など国政全般との関連を考慮しつつ、国民の理解を得られる適正な結論を出すべく検討を行った結果だ」とし、「国民の理解を得られる適正な結論」だとした。
さらに、地方公務員の給与についても「国家公務員における給与制度の総合的見直しを踏まえ、適切に見直しを行うよう要請することとしている」とした。
今回の決定により、公務員給与は月平均で0.27%、ボーナス(期末・勤勉手当)0.15か月それぞれ引き上げになる。給与引き上げは2007年以来、7年ぶり。民間より高い55歳以上の公務員給与は国民の理解を得られないと判断したのか、据え置きになった。(編集担当:森高龍二)