クリスマスや大晦日、またお正月など年末年始のイベント事では何かとお金を使うことになった方も多いかと思うが、そうした支出するお金を支えるのに欠かせないものといえば、やはり毎月の給料である。16日、厚生労働省は14年11月の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)を発表。それによれば、従業員1人あたりの平均現金給与総額は、前年同月比0.1%アップの27万7152円であったことがわかった。これで9ヶ月連続での増加となる。速報値では前年同月比1.5%ダウンと、9ヶ月ぶりに減少に転じていた。
冬のボーナスや残業代が伸びたことが、9ヶ月連続での増加に寄与した。しかし現金給与総額から物価上昇指数をのぞいた実質賃金指数ではマイナスで、前年同月比2.7%ダウンの84.1という結果に。下げ幅は速報値の前年同月比4.3%ダウンよりも縮小したものの、これで17ヶ月連続でのマイナスとなった。
14年12月の時点の速報値では、現金給与総額は前年同月比1.5%ダウンの27万2726円となっており、9ヶ月ぶりのマイナスとなっていた。また所定内給与の確報は前年同月比と横ばいの24万1375円であり、速報値の前年同月比0.2%アップよりも下方修正されることとなった。こうして所定内給与が横ばいとなるのは、14年5月以来6ヶ月ぶりのこととなる。残業代などの所定外給与は前年同月比0.9%アップの2万196円で、速報値の前年同月比0.9%ダウンよりも上方修正されることとなった。そしてこれら所定内給与と所定外給与を合わせた定期給与は前年同月比0.1%アップの26万1571円であり、上げ幅は速報値と同じ結果であった。
またボーナスなどの「特別に支払われた給与」は前年同月比1.6%アップの1万5581円であり、速報値の前年同月比27.0%ダウンよりも上方修正された。調査の回答の締切日が例年よりも早かったためデータがそろわなかったことが影響し、速報値発表の時点では大幅なマイナスとなっていた。
今回の発表の中で注目したいのでは、やはり17ヶ月連続でマイナスとなっている、実質賃金指数についてだ。現金給与総額から物価上昇指数をのぞいた数値がこうして連続でマイナスとなっていることからも、物価の上昇に賃金アップが追いついていない現状を伺うことができる。(編集担当:滝川幸平)