カーエレクトロニクス市場、10年後には26兆円超

2013年01月18日 11:22

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環境対策や利便性が向上するにつれ電装化の進む自動車。こうした中、富士キメラ総研が、カーエレクトロニクス発展の軸となるシステムに焦点を絞ったデバイスの世界市場調査結果を発表した。

  環境対策や利便性が向上するにつれ電装化の進む自動車。こうした中、富士キメラ総研が、カーエレクトロニクス発展の軸となるシステムに焦点を絞ったデバイスの世界市場調査結果を発表した。

  パワートレイン系・走行安全系・ボディ系・情報系・HV/EV系の5分野にわたって実施された今回の調査では、2012年の見込みで合計14兆1187億円と前年比110.3%と順調に拡大。さらに、2011年に8000万台を超えた世界の自動車生産は、2022年には2011年比147.0%の1億1780万台にまで拡大すると予測。その結果、2022年のカーエレクトロニクス市場は2011年比206.4%の26兆4187億円にまで伸長すると予測されている。

  これまでは、「環境」「安全」など独立したシステムや機器の搭載が急速に進んで来たため、電子制御・電動化という発想が強い傾向にあったという。ここに市場ニーズとのズレがあったため、単に自動車の高価格化を招いていた。しかし現在は、急速な高齢化社会や女性ドライバーの増加などから、比較的安価な軽自動車や小型車へのニーズが高まっており、エレクトロニクス技術の緊急な展開が求められている。こうした時代のニーズを捉えてカーエレクトロニクス化は新しい段階に入り、システム相互の協調や統合制御化と、普及システムを目指したコストダウンが進みつつある。このことがカーエレクトロニクス市場の拡大を加速させる要因だという。

  トヨタ<7203>のハイブリッド車技術の一部が今年に切れることなど、コストダウンを期待できる要素は多々散見される。コストが下がることは消費者にとって喜ばしいことではあるが、一方で特許切れなどを伴うことは、日本の高い技術という優位性を失いかねないものである。カーエレクトロニクス市場の拡大に合わせて、日本企業の業績を右肩上がりとさせることができるのか。注目が集まるところであろう。(編集担当:井畑学)