2014年4月に実施された消費税増税の反動減の影響により、ここのところずっと低迷が続いていた住宅販売だが、ここにきて回復傾向がみられ始めている。首都圏を中心に分譲マンションが好調に推移しているほか、「省エネ住宅ポイント制度」などの政策支援も功を奏して持ち家にも回復傾向がみられている。そうしたなか、31日に国土交通省が1~6月の新設住宅着工数を発表。それによれば、前年同期比1.1%アップの44万607戸と2年ぶりにプラスとなったことがわかった。
内訳を見てみると、マンションなどの「分譲住宅」は前年同期比8.0%アップの12万5250戸、「持ち家」は前年同期比3.9%ダウンの13万4926戸であり、減少率は前年同期の11.9%ダウンから大幅に縮小した。
こうした住宅着工の回復傾向は、同日に発表された6月単月での結果でも顕著に現れている。6月の住宅着工数は前年同月比16.3%アップの8万8118戸であり、これで4ヶ月連続でプラスとなった。こうして住宅着工数が8万戸を超えるのは、13年12月の8万9578戸以来1年6ヶ月ぶりとなる。国土交通省では今回のこの結果について、消費税引き上げの影響が薄れ、持ち直し傾向が現れ始めたとの見方を示している。
6月単月の内訳を見てみると、マンションなどの「分譲住宅」は前年同月比31.3%アップの2万5489戸で、3ヶ月連続でプラスとなった。三大都市圏を除くその他の地域が3117戸と08年10月以降の多さになるなど、地方での着工増加が目立った。「持ち家」は前年同月比7.2%アップの2万6643戸であり、これで2ヶ月連続で前年同月を上回った。着工戸数としては09年~12年(2万6000戸~2万7000戸程度)の水準であり、「省エネ住宅ポイント制度」や贈与税の非課税枠の拡大などの政策効果が現れ始めた結果とみられてる。ただし国道交通省は、力強いとまでは言えないとの声も聞かれるとして、先行きについては「引き続き注視が必要」としている。「貸家」も前年同月比14.6%アップの3万5600戸と、2ヶ月連続でプラスとなった。(編集担当:滝川幸平)