日立がドイツの火力発電所ボイラー予防保全会社買収

2012年06月14日 11:00

 日立製作所のグループ会社である日立パワーヨーロッパ社(HPE)が、レモンディス社の傘下であるドイツのサービス会社クセルフォン・エナジー社を買収すると発表。レモンディス社との合意に達し、今後、ドイツ関係当局の承認を経て買収完了となる。

 ドイツ・デュイスブルク市に本社を置くクセルフォン・エナジー社は、ドイツの有力な発電プラントサービス会社の一つ。ドイツ国内だけでなく、周辺諸国にも顧客ネットワークを有し、東欧、中東、アフリカにおいても数多くの実績がある。同社が培ってきた幅広い顧客ネットワークと実績に、HPEが有する高度なエンジニアリング力を融合することで、幅広く付加価値の高いサービスを提案、事業拡大を図る。

 現在、世界における発電電力量の中で石炭火力発電は、約4割を占めており、今後も高効率化技術やCO2排出抑制技術、低品位炭対応技術の適用によって、石炭火力発電所の新設需要は堅調に推移すると予測されている。また、欧米の石炭火力発電所の内、80%以上が運転開始後25年以上経っており、老朽化した施設の大規模改修や更新需要が拡大すると見られている。こうした状況を受けて日立は、1990年にバブコック日立が豪州でCBHを設立したほか、2005年には米国のMD&Aを買収するなど、プラントのメンテナンスやエンジニアリングで実績のある各地域のローカル・パートナーとの連携により、サービス事業を順次拡大している。今後こうした動向は、日立以外の企業でも広く活発化するであろう。再生可能エネルギーへの関心の高まり等と相俟って、発電関連企業の世界的な業界再編が始まっていると言えるのかもしれない。