安倍晋三総理は6日開かれた原子力防災会議で、原発事故について「東京電力福島第一原発事故から4年半が経過した今もなお、原子力の利用に対する国民の懸念は払拭できていない」と国民が原発に対し懸念を有するとの認識を示しながら、原子力規制委員会の新規制基準適合原発は「再稼働を進める」と再稼働優先姿勢をうかがわせた。
安倍総理は「地下資源の少ない日本にとって原子力は重要なエネルギー源」との立ち位置にあり、「国民の原発に対する懸念が払拭されていない現状を謙虚に受け止め、原子力の重要性、安全対策、原子力災害対策等について丁寧に説明する」とした。
しかし、懸念払拭前に、再稼働を優先する姿勢は安保法制で今国会での成立には反対と8割が答えていても「丁寧に説明する」と繰り返し、強引に成立させた姿勢と基本部分は全く同じとの批判もある。
また安倍総理は「万一、原発事故が起き、災害になってしまうような事態が生じた場合、国民の生命、身体や財産を守ることは政府の重大な責務であり、責任をもって対処する」とし、「自治体を最大限支援し、全力を尽くすことはもちろんだ」と責任を持って政府として対処するとした。しかし、福島第一原発事故の現況をみれば原発に依存しない社会の実現をこそ、目指すべきで、安倍総理は「原子力災害対策の強化について、国の責務として、継続的に総力を挙げて取り組んでいく」と語ったが、脱原発に向けた取り組みこそ、国の責務として、継続的に総力を挙げて取り組んでいくべき課題だろう。(編集担当:森高龍二)