液晶テレビの2012年国内出荷実績は前年比32.5%

2013年01月23日 09:38

  2013年も下旬に入り、次第に2012年の市場動向・実績が各業界から発表され始めた。不動産に関しては、最大の市場である首都圏でマンション供給戸数が伸び悩み、平均価格もm2単価も下落。日本チェーンストア協会によると、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどにおける総販売額が天候・気候の影響で微減となるなど、各業界の景気の悪さが数字で表現されている。こうした中、もっとも世間の関心が高いと言えるのが、パナソニック やシャープ などの大手企業の動向に注目が集まる、家電等の業界に関するデータではないだろうか。

  22日に電子情報技術産業協会が発表したデータによると、民生用電子機器の2012年計は、前年比57.0%の1兆6054億円となっている。月別データでは17ヶ月連続でマイナスとなっていることから、2012年一年間は一度も前年同月を上回ることができなかった。苦しい一年であったことを裏付けるデータといえるであろう。

  また分野別では、映像機器が2012年計では前年比41.0%の8544億円となった。12月だけみると1085億円であるが、前年同期比60.3%と大幅マイナスであることに変わりはなく、17ヶ月連続でマイナスとなっている。各社の業績に大きな影響を与えた薄型テレビは、2012年計で前年比32.5%の645.3万台となっている。2011年は地デジ特需があったとはいえ、その三分の一程度にまで市場が落ち込んでいる。さらにBDレコーダ/プレーヤの2012年計は、326.5万台と同48.1%。12月だけでみれば、BDプレーヤが6.6万台の前年比122.1%と健闘しているが、焼け石に水である。一方で、ビデオ一体型カメラの12月実績は19.2万台で前年比142.0%となっており、2012年計は過去最高の実績を記録した1990年に次ぐ186.1万台の同107.9%であった。

  こうした環境下で比較的健闘したといえるのが音声機器で、2012年計では前年比85.3%の1298億円となっている。ステレオセットやアンプなどは前年比93~94%程度に留まっており、ICレコーダに至っては、2012年計は144.4万台で前年比115.2%となっており7年連続でプラスを記録している。

  そして、他の市場に牽引されてプラス成長となったのがカーAVC機器である。2012年計では6213億円の前年比106.6%と2年ぶりにプラスに。特にカーナビゲーションシステムは、2012年計で558.7万台の前年比114.6%となっており、過去最高実績を記録。ETC車載ユニットも27.3台の前年比114.4%であった。

  映像機器、特に液晶テレビに関しては絶望的とも言える数字ではないだろうか。メーカー各社とも4Kテレビを投入して巻き返しを図るようであるが、現段階ではコンテンツも少なく、消費者との温度差が激しい。有機ELも同様である。このままでは、2013年もあまり回復は見込めないのではないだろうか。(編集担当:井畑学)