人件費などの施工コストの上昇を反映してマンションの価格が値上がりし、それにともない購入者の意欲が減退したことなどが要因となり、先月1月に首都圏で発売された新築マンションの戸数が、2ヶ月連続でマイナスとなった。民間調査会社の不動産経済研究所が16日に発表した内容によれば、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県で1月に発売された新築マンションの戸数は合計1494戸であり、前年同月比11.0%マイナスという結果であった。首都圏の新築マンションの平均発売価格は5570万円であり、前年よりも25%上昇しており、価格の高まりにより売れ行きが低迷していることが影響したものとみられる。
実際に売れた新築マンションの戸数を示す月間契約数は、前年同月よりも16.3ポイントマイナスの58.6%で、売れ行きの好不調の目安となる70%を大きく下回った。こうして50%台の低い水準となるのは、リーマンショック前の08年7月以来、7年6ヶ月ぶりのこととなる。契約戸数は876戸だった。
地域別に見てみると、東京23区が前年同月から10.2%マイナス。23区以外の地域も前年同月から12.4%マイナスとなった。そのほか、神奈川県が29.6%、千葉県が31.7%とそれぞれ前年同月からマイナスとなった。こうして各地域が軒並み前年同月を下回る一方、昨年発売された新築マンションの戸数が少なかった埼玉県は、前年同月よりも92.9%プラスとなり、ほぼ倍増であった。
今回、発表を行った不動産経済研究所によれば、先月1月のマイナスは、人件費などの施工コストの上昇にともない新築マンションの価格が上がり、売れ行きが低調となり、売り手に新築マンションの発売を先送りする動きが現れているためとしている。また、16日から日本銀行が開始したマイナス金利導入の影響については、導入前から低金利状態は続いていたとして、新築マンションの発売数に与える影響は少ないとの見方を示している。なお、2月の発売戸数については2500戸前後を見込んでいる。(編集担当:滝川幸平)