「スマホばっかりかまってないで勉強しなさい」――そんな小言が口をついてしまうパパやママも多いだろう。内閣府の調査によると、高校生では63.3%がスマートフォンを通じて1日2時間以上インターネットを利用しており、その平均時間は約154.6分に及ぶという。
そこで、通信会社側としても何とか対策をということで、KDDI研究所は中高生のスマホの長時間利用を改善し、子供たちの勉強を支援することを目的にアプリ「勉強うながしホーム」を開発した。同研究所では「程度を超えた利用は、青少年の学力低下や体調不良、トラブル経験の増加といった事態に陥る可能性がある。中高生が自律的に適切なスマホの利用を実現させるために、“うながし”という心理的なアプローチを用いた」としている。
「勉強うながしホーム」は、米国の経済学者や法律学者が提唱する理論をもとに、スマホ利用を物理的に制限することなく、心理学的アプローチで利用者自らがスマホを適切に利用できるよう支援するアプリ。「通常モード」と「勉強モード」の2つがあり、それらを活用することで、勉強に役立つアプリなどの適切な利用を促すことを目的としているという。具体的には、利用時間により変化する背景画像や100以上のポップアップメッセージ、スマホ利用時間表示などががある。
同研究所では、今後もトライアルを通じ、中高生やその保護者らが安心・安全と感じられるスマホ環境を提供するために「勉強うながしホーム」の改善を進めていくとしている。「勉強しなさい」というお父さんの“伝家の宝刀”もスマホに取って代わられる時代になりそうだ。(編集担当:城西泰)