炭酸飲料市場を担う、今夏の新商品

2012年05月28日 11:00

 ゼロ系飲料の流行や記録的猛暑により前年比104.3%の5071億円であった2010年の炭酸飲料市場。2011年は震災の影響や流行がひと段落したことなどもあり、2010年比95.1%の4823億円となっていた。こうした状況下、今年の炭酸飲料市場はどうなるのか。売り上げを大きく左右する夏を前に、飲料メーカー各社が新商品の発表を行っている。

 カルピスは果汁本来のおいしさが楽しめる炭酸飲料として「Welch’s(ウェルチ)」スパークリンググレープを6月4日から発売すると発表。「Welch’s」ブランドは今年1月から4月の累計で前年比6割増と好調を維持するブランド。この今人気のブランドから、本格的な果実の味わいが楽しめる大人向けの炭酸飲料として、これからの季節の需要を見込んだ新商品を発売する形である。

 サッポロからも、「Ribbon 夕張メロンソーダ」を6月4日から全国発売すると発表。この商品は、高い人気と知名度を誇る北海道の地域ブランドである夕張メロンの果汁を使用し、2009年と2010年に北海道限定で発売。まるで夕張メロンを食べたような芳醇な香りと爽やかな甘さが味わえる商品となっている。また「夕張メロン」の登録商標を持つ夕張市農業協同組合に認められた商品だけが付けることが許されるマークを、パッケージ下に付けることで品質感を高めている。なお、果汁入り炭酸飲料で、夕張メロン果汁を使用できるのはサッポロ飲料だけだという。

 さらにキリンも、家族みんなで楽しめるロングセラーの炭酸飲料「キリンレモン」ブランドのラインアップとして、「クエン酸」「ナトリウム」「カルシウム」「ビタミンB6」の4種類の成分を配合した、中学生・高校生向け炭酸飲料「キリン 青春のキリンレモン」を6月12日(火)から全国で新発売。自社の調べにより、中学生・高校生は有糖炭酸飲料の飲用率が高く、ブランドを特定せずに様々な飲料を選択する傾向があることが判明。季節の需要だけでなく、中学生・高校生の定番炭酸飲料としての定着を狙っての新商品となる。

 いずれも、ブランド力をもったシリーズや商品からの新発売である。2010年のような売り上げを記録し、昨年を上回る売り上げを記録することが出来るのであろうか。これからも続々と発表されるであろう新商品に注目が集まるところであろう。